日本の物価は30年でどのくらい変わった!?今と昔で比較してみた!

日本の物価は30年でどのくらい変わった!?今と昔で比較してみた!

続く日本の物価の上昇。その上昇スピードは賃金上昇が追いつけないほどで家計への影響が無視できなくなっています。そんな注目される物価ですが、30年前と比較するとどのくらい変わっているのでしょうか?

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マネ娘

この前、昔よく行ってたテーマパークに久々に行きたくなってチケットを買おうとしたら、値段が高くなっててびっくりした。こんなに高かったっけ…。


マネ男

最近は物価上昇が続いていて、日常の買い物で「こんなに高かった?」って感じることが増えたよね。


マネキン

まさに今、2人はインフレ(物価上昇)を体験してるニャ。家計にとっては避けたい出来事かもしれないけれど、適度なインフレは経済成長のためには必要と言われてるニャ。日本は「失われた30年」と言われて長く経済が停滞しているものの、30年前と比べたらなんだかんだモノの値段は上がっているニャ。


マネ娘

どんなモノがどのくらい上がってるんだろう?


マネキン

30年前と比較して物価がどのくらい変わったか見てみるニャ。今後も続くと予想される物価高での家計防衛策も教えるから、値上げに負けない家計を作るんだニャ!


・日本の物価は30年前と比べて食品は1.2倍、日用品は紙製品を中心に値上がり傾向、娯楽費用はモノによっては2倍以上値上がりしているものも。
・値上げしていない商品でも「ステルス値上げ」に注意しよう。
・物価上昇の対策には、ラテマネーを極力減らすなど、こまめな工夫とともに「資産運用」を行い、貯めたお金の価値が目減りしないようにすることが大事

目次)

1.30年前と比べて「食品」は約1.2倍に
1-1.特に値上がりしていた食品はこれ!
1-2.「ステルス値上げ」にもご注意!
2.30年前と比べると明暗が分かれる日用品
2-1.むしろ値下がり!?生活消耗品
2-2.紙製品を中心に値上がりしている日用品
3.あの有名飲食店も値上げ!?
3-1.スターバックスラテは約1.5倍に!
3-2.100円ではなくなった回転すしのスシロー
4.昔と今で娯楽費用はどのくらい違う?
4-1.あなたの好きな娯楽は値上がりしている?
5.物価上昇の対策には「資産運用」

1.30年前と比べて「食品」は約1.2倍に

1.30年前と比べて「食品」は約1.2倍に

モノの値段がどのくらい上昇しているか確認できる調査結果として、総務省統計局「消費者物価指数」があります。この資料から、30年前(1993年)と、直近(2022年)を比較してみましょう。

まずは、食品の指数です。食品全体の指数は、1993年が87.1ポイントなのに対し、2022年は104.5ポイントとなっています(2020年を100として換算している数字)。

マネキン

つまり、食品の物価はこの30年で約1.2倍(=104.5ポイント÷87.1ポイント)に上がっていることが分かるニャ。

特に値上がりしていた食品はこれ!

特に値上がりしていたのは、次のような品目です。小麦製品や肉・魚・卵など、毎日の食卓に欠かせない品目の値段が上がっているため、食費が上がってしまうのも納得です。

<1993年と2022年の物価指数の比較>
・食パン 88.3ポイント → 110.2ポイント(約1.25倍
・カップ麺 85.6ポイント → 107.6ポイント(約1.26倍
・魚介類 78.5ポイント → 112. 1ポイント(約1.43倍
・さんま 49.2ポイント → 125.1ポイント(約2.54倍
・豚肉(国産品) 70.2ポイント → 105.5ポイント(約1.50倍
・鶏卵 69.9ポイント → 105.3ポイント(約1.51倍
・みかん 58.3ポイント → 104.8ポイント(約1.80倍
・ケーキ 67.6ポイント → 107ポイント(約1.58倍

(総務省統計局「消費者物価指数(年報・2022年)」より作成)

マネ娘

庶民の食卓のイメージがある「さんま」も、値上がりしてお手軽とは言えなくなったんだね。とは言え、思っていたより値上がりはしてないようにも感じる…。


マネキン

主食はお米、おかずはアジや豆腐・納豆、野菜はなすやキャベツなら、30年前と比べてもほとんど値上がりしていないニャ!
ただし、物価上昇だけではなく、消費税アップや、平均給与が低下・社会保険料の上昇も重なって「モノが高い」と物価上昇をより肌に感じる状況になっているニャ。

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「ステルス値上げ」にもご注意!

「ステルス値上げ」にもご注意!

実は、いつも買っている食品の値段が上がっていない場合でも、実質的には値段が上がっていることがあります。

マネ男

どういうこと?


マネキン

商品の価格はそのままでも、内容量を減らすことで「実質値上げ」をすることがあるニャ!


これは「ステルス値上げ」と呼ばれていて、メーカー側は「内容量変更」や「規格変更」といった形で表現します。具体的には次のようなパターンがあります。

・いつも買うパンが「5個入りから4個入りに減った」
・大好きなスナック菓子の容量が良く見たら「85g入りから80g入りに減った」

つまり、いつも買っている商品が「なんだか前よりも少なくなった気がする」のは、気のせいではないかもしれないのです。価格は変わらないとはいえ、消費者としては喜べることではありません。

マネ娘

ステルス値上げは最近よく買い物で体験する!騙されたようでちょっと悲しくなるんだよね…。


マネキン

食品の値上げに負けないためには、工夫が必要不可欠だニャ!
食品の値上げに負けないための家計防衛策を教えるニャ。


食品の値上げに負けないための家計防衛策

マネキン

食品の値上げへの対策については、こちらの記事でも詳しく解説してるニャ!


食品の値上げラッシュ!原因は?いつまで続く?家計を抑える対策を教えて!

2.30年前と比べると明暗が分かれる日用品

30年前と比べると明暗が分かれる日用品

続けて、日用品の物価推移も見てみましょう。総務省統計局「消費者物価指数」によると、家事用消耗品の物価は1993年が130.9ポイントなのに対し、2022年は104.9ポイントと、値下がりしていることが分かります。
マネ男

食品と違って、値段が下がってるんだ!

むしろ値下がり!?生活消耗品

日用品の代表ともいえるティッシュやトイレットペーパーなどは、30年前と比べるとほとんど同水準の価格です。なかには、値下がりしている品目もあります。

<1993年と2022年の物価指数の比較>
・ティシュペーパー 135.1ポイント → 99.5ポイント(約0.74倍
・トイレットペーパー 107.5ポイント → 105.5ポイント(約0.98倍
・紙おむつ(乳幼児用) 198.8ポイント→ 101.3ポイント(約0.51倍
・洗剤 171.2ポイント→ 104.3ポイント(約0.61倍
・シャンプー 99.4ポイント→ 101.5ポイント(約1.02倍

(総務省統計局「消費者物価指数(年報・2022年)」より作成)

ティッシュや洗剤などは海外の先進諸国と比べると安価な傾向があるため、日本は恵まれた環境といえます。また、質が良いと評判も高く、赤ちゃん用の紙おむつを爆買いする外国人のニュースが記憶に残っている人もいるのではないでしょうか。

紙製品を中心に値上がりしている日用品

平均では値下がりしている日用品ですが、次の品目は値上がりしています。

<1993年と2022年の物価指数の比較>
・はがき 65.1ポイント→ 100ポイント(約1.54倍
・学習参考教材 70.3ポイント → 102.8ポイント(約1.46倍
・学習用机 87.4ポイント → 106.2ポイント(約1.22倍
・ノートブック 73.2ポイント → 100.2ポイント(約1.37倍
・新聞代 85.1ポイント → 103.8ポイント(約1.22倍
・雑誌 63.8ポイント → 105.5ポイント(約1.65倍

(総務省統計局「消費者物価指数(年報・2022年)」より作成)

これを見ると、紙製品を中心に値上がりが進んでいることがわかります。
原因と考えられるは、原材料の高騰や、人件費の上昇、円安などです。この傾向が今後も続けば、さらなる値上がりも考えられます。

マネキン

日用品はいつも使うものだから、チリツモで負担が大きくなるニャ!日用品の費用を抑える対策を教えるニャ。


日用品の費用を抑える対策

マネ娘

昔からの習慣で何となく買い続けている新聞や雑誌も、思い切って見直してみようかな。

3.30年前と比べて「食品」は約1.2倍に

3.30年前と比べて「食品」は約1.2倍に

次は、誰もが知っている飲食店の値段について、30年前と比べてどのくらい上がったのかを見てみましょう。

スターバックスラテは約1.5倍に!

日本では1996年にオープンしたスターバックス。当時はコーヒー1杯が税込260円でしたが、2023年11月時点では税込350円です。コーヒー豆などが高騰したため、2022年から2023年は特に値上げが進みました。

スターバックスラテは約1.5倍に!

マネ娘

こんなに変わってるんだ!ラテが好きだけど、1日2杯飲んだら1,000円近くするって考えると、家計的には痛手だなぁ…。

「100円」ではなくなった回転すしのスシロー

100円回転寿司として有名なスシローは、今から約30年前の1995年に1皿税込105円の店舗を出店しました。長く据え置き価格でしたが、2022年にはついに1皿税込120円に。また、一部のネタは1皿税込180円と、確実に値上げが進んでいます。

「100円」ではなくなった回転すしのスシロー

飲食店に関しては、「前よりも量が減った気がする」といった口コミも目にすることがあります。いつもの間にかステルス値上げが行われている可能性もありそうです。
マネキン

ちなみに、マクドナルドのハンバーガーは1992年では210円。それが、2023年11月時点では170円に下がってるニャ。飲食店の値上げは単純な物価上昇だけではなく、経済状況なども考慮して決められているニャ。


マネ男

僕も好きなビックマックの値段は「ビックマック指数」として、国の経済力を測る指数として有名だよね。2023年7月の国別価格だと54カ国中、日本は41位だって。海外と比べたら日本の物価はずいぶん安い状況なのがわかるね。


「ラテマネー」とは

マネキン

「ラテマネー」とは、「何となく使ってしまう少額の出費」のことニャ。日々のコーヒーやランチ代を見直せば、値上げも怖くないニャ!

4.昔と今で娯楽費用はどのくらい違う?

4.昔と今で娯楽費用はどのくらい違う?

日々の生活を充実させるために欠かせない娯楽に関する費用も、30年前と比べると上昇しているのでしょうか。一言でいえば、娯楽費用に関しては、値段が上がっているものと上がっていないもので分かれます。

あなたの好きな娯楽は値上がりしている?

娯楽施設のチケットやサービス料などの価格について、30年前と今で比較してみましょう。

<約30年前と現在(2023年11月時点)の価格の違い>
・ディズニー 1デーパスポート(大人)
1992年 4,800円 → 7,900円~10,900円(最大約2.3倍
・サンリオピューロランド パスポート(大人)
1990年代 4,400円 → 3,600~4,900円(最大約1.1倍
・TOHOシネマズ 映画チケット(大人1回)
1993年 1,800円 → 2,000円(約1.1倍
・タバコ セブンスター(1箱)
1990年前後 220円 → 600円(約2.7倍

(インターネット上の情報をもとに執筆者作成)

マネ娘

ディズニーやタバコは2倍以上値上がりしてる…!


マネキン

とは言っても日々の活力になる娯楽費は大事ニャ。クーポン券を使ったり、安い日を狙っていったりして乗り切るニャ!


日々の活力になる娯楽費

5.物価上昇の対策には「資産運用」

5.物価上昇の対策には「資産運用」

原材料や人件費が高騰していることを考えると、今後も物価上昇は続くと予想されます。
支出を抑える工夫が必要ですが、同時に頑張って貯めたお金の価値が目減りしないように、「資産運用」を始めることも考えましょう。
マネキン

金利が低い銀行預金にお金を預けておくと、物価が上昇する中では買える物の量が減ってしまうニャ!


【銀行預金だけでは危険!?】物価上昇による資産の目減りを防ぐための対策は?
物価が上昇する中では買える物の量が減ってしまう

現金で持っている資産の一部をインフレに強いとされる株式や不動産などの資産に置き換えておくことで、資産価値が下がりにくくできると考えられます。
マネキン

投資初心者でも始めやすいのは「新NISAを活用した積み立て投資」だニャ!対象商品が絞られているから選びやすいことに加えて、節税メリットもあるニャ!NISAについては下記の記事で詳しく解説してるニャ。


2024年スタート!新しいNISAの賢い活用方法と疑問をQ&A式でプロが解説!
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マネ娘

30年前の話をしていたら、なんだか子どもの頃に読んだ漫画を読みなおしたくなっちゃったな~。


マネ男

僕も!大好きだったアニメを久々に見返そうかな。


マネキン

もう!物価上昇の対策の話はどこ行ったニャ~!

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執筆者:張替愛
執筆者:張替愛

FP事務所マネセラ代表
ファイナンシャルプランナー(AFP)
保険や投資信託などの金融商品を販売せずに、お客様の味方となってアドバイスを行うお金の専門家。共働きや海外転勤がある家庭を中心に、年100件近いペースで個別相談を受ける。専門分野は教育費・住宅購入・資産運用・ママのキャリアなど。コラム執筆や監修、オンライン・動画によるマネー講座などでも活躍中。小学生2人の母でもある。
著書『~共働き800万円以下の夫婦でもハッピーライフ~プチ贅沢を楽しみながらムリなく資産を増やす』(ビジネス教育出版社)