飼う前に知っておこう!ペットにかかるお金のこと

目次)
1.ペット(犬・猫)を飼うときにかかる初期費用
2.ペットを飼ってから毎月かかる費用
3.犬猫を飼った時に必要な生涯費用のシミュレーション
4.意外と忘れがちな費用
・ペット可物件の家賃
・旅行や出張の時に利用するペットホテル
・ペットのための光熱費
5.病気やけがでかかる費用とペット保険
6.生活費のうち、ペットにかけてよい理想の割合は?
7.飼い主にもしものことがあったら
・ペット信託
・ペットと暮らす特別養護老人ホーム
・老犬・老猫ホーム

マネ娘妹

猫って癒されるよね。最近ネットで猫の画像や動画を見てたらすごく飼いたくなってきちゃって…。

マネ娘

でもペットを飼うってとっても大変だよ!もちろんお金も必要。餌代はもちろんだけど、それ以外にもいろいろとかかるからね。うちはマネキン1匹でも結構かかってるんだから!

マネキン

そ、そんなこと言わないでニャア…。その分良いこともあるニャ?

マネ娘

もちろん、マネキンがいてくれて楽しいよ!でもお金のことはしっかり考えないと。

マネ男

そうだね。特にマネ娘妹はお金に対して無頓着なんだから。可愛い~ってだけで、簡単に考えちゃだめだよ。

マネ娘妹

簡単に考えているわけではないけど、確かにどのくらい費用がかかるか、具体的には知らないな…。マネキン、教えて!

マネキン

今回は解説しづらいけど、わかったニャ…。
犬1匹を買った場合に生涯でかかる費用は約430万円、猫の場合は約230万円 といわれてるニャ。
「思ったよりお金がかかって、家計が苦しくなった…」「自分が病気にかかって面倒が見られなくなってしまった…」そんなことにならないように、今回は実際にペットを飼う場合にかかる費用について考えるニャ!

マネ娘

大事な1つの命だからこそ、飼う前にはしっかりとお金のことも確認しよう!

ペットを飼うときにかかる初期費用

犬を初めて飼うときは、一般的に次のような費用が目安となります。近年は、保護犬、保護猫を引き取るなど、ペットショップで購入する以外の方法で、家に迎える方も増えているため、犬・猫自体の購入費は除きます。

マネ娘妹

犬は体格によって初期費用にも幅が出るんだ!超小型犬から大型犬まで、大きさに差があるもんね。

猫を初めて飼うときに必要となる費用の目安は以下のとおりです。

もし、ノラの子猫を拾ったのであれば、寄生虫検査、健康診断は必須です。すでに飼われている猫の子猫をもらうのであれば、初期費用に含めなくても良いでしょう。

ペットショップ、ブリーダー、保護猫などの場合は事前に健康診断をしています。また、血統書付きの猫特有の病気についても確認済のケースがあります。それらの費用が購入費用に含まれている場合もあるので、個別に確認しましょう。

ちなみに、犬も猫も初年度の混合ワクチンは、かかると大変な病気を防ぐために必要です。初年度のみ、免疫を機能させるため3回の接種が必要で、翌年からは年1回のみで大丈夫です。

ペットを飼ってから毎月かかる費用

無事にペットを迎えた後の楽しい生活にもお金はかかります。犬・猫それぞれに掛かる毎月の支出は次の通り。

マネ娘

猫の1万3,000円ほどに対して、犬は約2万5,000円と、犬の方が猫の2倍の費用がかかるんだね!

マネキン

猫と比較して犬の方が費用がかかるのは、「病気やケガの治療費」「シャンプー・カット・トリミング代」「ペット保険料」などニャ。犬は、体格が小型・大型だったり、毛も短い・長いと違いがあったりするので、受けるサービスや医療費でかかる料金は幅があるニャ。だから、犬は猫よりも費用がかかると言えるニャ。

マネ男

犬も猫も「フード・おやつ」「日用品」「光熱費(飼育に伴う追加費)」は、ほぼ同じくらいだね。

なお、上記の月額支出は、1頭だけ飼った場合です。多頭飼いする際は以下のように考えるといいでしょう。

 

「病気やケガの治療費」「フード・おやつ」「シャンプー・カット・トリミング代」など、費用が大きめのもの×ペット数
「ペット保険料」「ワクチン・健康診断等の予防費」など個別にかかるもの×ペット数
「ペットホテル・ペットシッター」は家を空けることが多い飼い主であれば注意が必要な項目です。「ひと月当たりの外出頻度」×ペット数

残りの細かな費用は、まとめて×1.5ほどを目安にすれば良いでしょう。「光熱費」は多頭飼いしても上がることはありません。

マネキン

日本では、15歳以下の子供の数が1,512万人(2020年総務省:統計)と比べると、ペットの飼育数の方が1,813万頭(2020年ペットフード協会:統計)と多いニャ。そのため、ペットを家族と同様に考える傾向が広がってるニャ。

それに伴い、ペット関連のサービスを提供する企業が、従業員のペット飼育に配慮し、福利厚生制度を取り入れています。主なものに、「ペット忌引き休暇」やペット関連の休暇が取れる「パーソナル休暇」、「ペット扶養手当」などがあります。それ以外のでも、福利厚生制度として導入した「ベネフィット」のサービスの中で、ペットグッズの販売、トリミング、しつけ、ホテルなどの割引が受けられます。

マネ娘

今後さらにペットの存在感が増すにつれて、福利厚生も充実しそうだね!

犬・猫 生涯費用のシミュレーション

次に、犬、猫の生涯を通してかかる費用の総額を見てみましょう。

犬の平均寿命:14.48歳≒14歳(2020年一般社団法人ペットフード協会)
犬の年間飼育費:2万5,567円(月額 注1)×12ヶ月=30万6,804円≒30万円
├年間飼育費の中の医療費:3,739円(月額)×12ヶ月=4万4,868円≒4万円
└医療費をのぞく飼育費:2万1,828円(月額)×12ヶ月=26万1,936円≒26万円

猫の平均寿命:15.45歳=15歳(2020年一般社団法人ペットフード協会 )
猫の年間飼育費:1万3,223円(月額注1)×12ヶ月=15万8,676円≒15万円
├年間飼育費の中の医療費:1,993円×12ヶ月=2万3,916円≒2万円
└医療費をのぞく飼育費: 1万1,230円×12ヶ月=13万4,760円≒13万円

注1:参考データ アニコム「ペットにかける年間支出調査(2019年まとめ) 」

上記をまとめると以下の表のようになります。

犬や猫との暮らしは、楽しさ、可愛さに意識が向きがちですが、かかる費用も大きいことがわかります。飼うには、これらを受け入れる覚悟が必要になります。

他にこんな費用がかかることもお忘れなく!

ペットを飼う際、うっかり見落とすと、家計に負担となる費用もあります。

マネキン

ペットは環境などがストレスとなり体調を壊す場合もあるニャ。だから、住環境を整えることがとっても大切。ペットが元気に生活するためには、さまざまな面でペットに合わせる費用がかかることを忘れないでニャ!

病気やケガでかかる費用と備えるためのペット保険

ペットを飼ううえで心配なのは、病気やケガ。ペットには人間のように公的保険はありません。そのため、ケガや病気で治療を受ければすべての費用を飼い主が負担することになります。

そのようなペットの大きな病気、ケガに備えるのがペット保険。ペット保険は、治療費すべてを補償するのではなく、治療費の50%、70%など補償される割合が決まっているものが多くあります。代表的な病気と治療費と保険に入っていた時の費用負担を見てみましょう。

① 犬(ミニチュア・ダックスフンド)の場合

② 犬(ゴールデンレトリバー)の場合

③ 猫の場合

④ 猫の場合

マネ男

ペットの病気やケガは場合によっては大きな治療費がかかるんだね。

マネキン

公的な医療補償のないペットの治療費は飼い主が全額負担することになるから、ペット保険に入っておけば心強いニャ。でも、去勢・避妊などほとんどのペットが受ける手術は補償から外れるニャ。加入の際には、補償限度、補償される治療の範囲など、きちんと確認するニャン!

SBIいきいき少短のペット保険の場合、猫で5歳なら月々495円から入ることができます。万が一の時を考えると気軽に入れる金額ですよね。補償内容や犬種・年齢によって月々の金額が変わってきますので、興味がある方は調べてみてください。

ペット保険に入ることに抵抗がある方は、ペット1匹あたり1,000~3,000円の範囲で、貯蓄をすると安心です。もし、月に2,000円ずつ貯蓄すれば、1年間で24,000円。10年間で24万円、15年間で36万円になります。

先ほど紹介した犬にかける月間支出の2万5,567円には、医療費3,739円が含まれています。犬が若いうちは、医療費などはかからないことが多いので、このうちの3,000円を予備資金として貯金しておくとよいでしょう。

生活費のうちペット費用は何割が理想?

では、ペットにかかる費用は、家計費に対してどのくらいが良いのでしょうか。一般的な家計費と比較しながら考えてみることにしましょう。

今回は、総務省の「家計調査2020年」の総世帯の消費支出の平均を家計費の基準にして計算すると次のようになります。

 

【総世帯の消費支出の月額平均額は23万3,568円
・犬の場合
月間支出25,567円÷233,568=10.9%
・猫の場合
月間支出13,223円÷233,568=5.7%
マネ娘妹

生活費のうちに占めるペット費用は、家計の5~10%を目安に考えるのが理想と言えそうだね。

ペットは生き物ですから、食べること、清潔さを維持すること、健康診断などの費用は必須要素です。そのため、ペットが生きている間の費用は、飼い主にとっては固定費となります。曖昧にせず、しっかり管理しましょう。

自分にもしものことがあった場合に

マネ娘

気になってたんだけど、ペットの飼い主にもしものことがあった場合、残されたペットはどうなるの…?

マネキン

そんなもしもに備えるサービスもちゃんとあるニャ!

ペット信託
ペット信託とは、飼い主が生きているうちに、ペットの面倒を見てもらえる体制を作っておく方法です。飼い主にもしもがあったとき、ペットを信頼して任せられる人物や団体に飼育費を支払い、ペットが生涯幸せに暮らせるための準備ができます。
ペット信託の費用は、契約書を作成する手数料に約15万円かかります。それ以外に、ペットの推定余命から計算した飼育費が必要となります。

ペットと暮らす特別養護老人ホーム
飼い主とペットを受け入れる共生型の老人ホームも増えています。ここでは、入居者である飼い主が亡くなったら、残されたペットはホームのペットとして世話をしてもらうことになります。ペットの世話を任せるには、ペットの飼育費をホームに託すことになります。

老犬・老猫ホーム
高齢化した犬、猫を専門の介護施設に預ける老犬・老猫ホームが全国に増えてきています。サービス内容は、人間の介護施設と同じく、日中のみ~1泊2日、1ヶ月以上と期間も飼い主の都合に合せて選択できます。犬の場合、小型・中型・大型でかかる料金に違いがあります。老犬ホームは全国に増えてきていますが、猫は家につく動物のため、犬と比べると預かる施設自体が少ないです。費用は初期費用・預かり費(1泊あたり)がかかります。料金は施設ごとに幅があります。

マネ娘妹

ペットとの生活は楽しそうだけど、それを継続するためにはお金の管理も重要なことがよーくわかったよ!

マネ娘

改めて考えると結構な費用になるんだねぇ。

マネキン

「飼ってしまえば何とかなるかも」と安易に考えず、大事な家族になるわけだから必要なお金を準備しておくニャ!

マネ娘

ところで、マネキンは自分で自分のお金を稼いでくることはできないの?

マネキン

そ、それは無理ニャ!これからもよろしくニャン…!

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舟本美子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Caféパートナー
「大切なお金の価値観を見つけるサポーター」会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。
あなたに合ったお金の使い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信する。また、自宅で5匹の保護猫(12歳~22歳)を飼っており、高齢~超高齢猫の健康管理や介護とお金、時間の使い方などの相談を受けている。Mocha(モカ)にてペットに関する記事を執筆。
Mocha(モカ)|お金の知性が、人生を変える。 (fpcafe.jp)。