一生賃貸で暮らしたら?今と老後のメリット・デメリット
一生賃貸で過ごすのか?はたまた、持ち家を手に入れるべきなのか…。
社会人なら避けては通れない将来の住宅問題。自分にとってどちらがベストなのか、なかなか答えが出せない問題ですよね。
そこで今回は、「賃貸と持ち家」をテーマに2回に渡ってお届け。
まずは「賃貸」についてマネ男と、妻のマネ娘、飼い猫のマネキンと一緒に考えていきましょう。
記事のなかでは、一生賃貸で過ごした場合の費用を徹底シミュレーション!
他にも、賃貸のメリット・デメリットや、どんな人に向いているのかなどもご紹介します。ぜひ将来設計の参考にしてみてくださいね。
引っ越しを考えるマネ男夫婦、選ぶ道は賃貸?持ち家?
そう遠くない将来、子どもが欲しいと考えているマネ男・マネ娘夫婦。
現在のアパートでは手狭になると考えて引っ越しの話をしていますが、賃貸のままか家を購入するか迷っているようです。
子どもが生まれたら広い家に住みたいね。
そろそろ引っ越しも考えたいけど、マネ娘は、次はどんな場所に住みたい?
私は次に住むならその街に永住したいかも。
周りの友達でも家を建てる人が増えてきたし、庭付きの一軒家に憧れるな〜。
マイホームが欲しいんだ!?
僕は、ローンは不安だし天災で家が壊れるのも怖いから、ずっと賃貸で良いかなと思っていたんだけど…。
えっ、そうだったの!?
賃貸だと一生家賃を払い続けないといけないじゃない。
それにあなたは退職金も出ないのよ?年金だけで暮らす老後を考えると、けっこうな負担になりそうで不安だよ!
ちょっと、ちょっと!ケンカはやめるニャ〜!
賃貸も持ち家も、それぞれ良い面、悪い面があって、人によって合う合わないがあるニャ!
そうなの?僕たち夫婦の場合はどちらが向いているんだろう?
よし、今回は一生賃貸に住み続けたらどうにゃるか考えてみようニャ!
まずは同世代のみんなはどうしているのか、アンケートをみてみるニャ!
1.23~40歳にアンケート!賃貸住まいを選ぶ人の割合は?
「賃貸と持ち家はどちらが良いの?」
誰しも一度は考えたことがあると思いますが、実際のところ、みんなはどうしているのでしょうか?
23〜40歳の男女300人にアンケートを行いましたので、その結果をご紹介します。
Q.あなたは、今後5年くらいの間に、住宅ローンを組んだ住宅の新規購入を検討していますか。
※ご自身で住む住宅についてお答えください。
現在、すでに「家を購入した」人と「検討している」人、実家住まいの人を合わせると、持ち家を選ぶ人は54%と全体の半分以上。
一方、今後も賃貸に住み続けると答えた人は23%という結果になりました。
さらに、年代別に詳しく見ていくと…
20代に比べて、30代からはすでに住宅を購入した人が増えており、賃貸派が減る傾向にあります。
これは30代になると結婚や出産、仕事など将来のライフプランの目処が立ってくる人が増えることが要因かもしれませんね。
一方で「わからない・決まっていない人」の割合が最も高くなるのが、30〜35歳。
ちょうどマネ男・マネ娘夫婦と同世代では、住宅購入をする人が増えてくる一方で迷っている人が多いことも浮き彫りになりました。
2.賃貸で暮らす場合のメリット・デメリットとは?
アンケートでは少数派でしたが、賃貸に住み続けることには住み替えを気軽にできたり、ローンを組まなくてもいい「気楽さ」が魅力にあります。
ここからは、そんな賃貸のメリットとデメリットについて、今と将来、それぞれの視点からご紹介します。
まずは今のメリット・デメリットをみていきましょう。
住宅購入の頭金などといったまとまったお金や、自然災害で生じた破損の修繕費の負担が必要ないなどの金銭面でのラクさと、
家計状況や家族環境、近隣関係などに合わせて引っ越しやすいといった融通性の高さがメリットになります。
一方、デメリットには賃貸人の都合によって立退きを求められる可能性があるなど、生活の不安定さがあります。
次に定年後、つまり老後のメリット・デメリットについてみてみましょう。
老後では、相続税対策が必要なかったり、高齢者施設への入居など自分の都合で住み替えしやすいなどといったメリットはあるものの、
年金収入のみになってからの家賃の負担が大きくなったり、住居を自由にリフォームできないなど、金銭面の負担や融通性の低さからデメリットが少し大きくなりそうですね。
これらのメリット・デメリットも踏まえると、賃貸に向いているタイプはこんな人と言えそうです。
<賃貸に向いている人>
・気軽に家計状況や家族環境に合わせて住み替えたい人
・転勤が多い人
・貯蓄力があって老後に備えられる人
・地方、海外移住などに興味がある人
・実家に戻ることができる人
・収入や仕事が不安定な人、または今後そうなりそうな人
・近所づきあいが苦手な人
・ひとつの場所に留まることが性格的に苦手な人
3.「一生賃貸」の場合、生涯収支はどうなる?
賃貸のメリットとデメリットについて理解したら、次は最も気になる費用について。
一生賃貸で暮らす場合、収支と資産の推移はどのようになるのでしょうか?
マネ男・マネ娘夫婦のライフプランと経済状況を例に、実際に見ていきましょう。
<マネ男・マネ娘夫婦の現状>
現在:マネ男:34歳/マネ娘:29歳/マネキン(ペット)
結婚したばかりの新婚夫婦。1年後に第一子出産、その3年後に第二子を出産したいと考えている。
<マネ男・マネ娘夫婦の経済状況とライフプラン(シミュレーション時の条件>
・夫婦の手取り収入 マネ男:月28万円(ボーナス:年間56万円)/マネ娘:月18万円 (ボーナス:年間36万円)
・現在の貯金 マネ男:100万円 マネ娘:130万円
・年金(年間の支給額) マネ男160万 マネ娘143万(現在の収入額から試算)
・現在~第2子独立前までの生活費 月40万(家賃含む、教育費は含まない)
・第二子独立後の生活費 月28万円(家賃含む)
・子どもの教育費 子どもは2人、進路は小学校~大学全て国公立として算出
・退職金 マネ男:0円/マネ娘:800万円
・61歳以降就労収入なし
<賃貸の家賃・更新料、引越しの時期と金額>
①家賃
子ども独立前:18万円(3LDK想定)
子ども独立後:13万円(2LDK想定)
②更新料 2カ月分
③引っ越しの時期
第二子出産後:マネ男:38歳/マネ娘:33歳
第二子独立後:マネ男:61歳/マネ娘:56歳
④引っ越し金額 30万円
上記の条件でグラフで資産残高と収支をグラフでみてみると……
結果、このままのライフスタイルで賃貸に一生住み続けると、28年後には資産残高がマイナスに!
う、嘘 !?今のままだと私が57歳、あなたが62歳には貯金が底をついて収支がマイナスになっちゃう!
ほらね、やっぱり賃貸はお金がかかるじゃん!!
うっ…。確かに31年後にマネ子の退職金が入って一度持ち直すけど、そこから収入は年金以外なくなるわけだから、結局は破綻しちゃうね…。
マネキン!結局どうすればいいの!?
大丈夫だニャ!
もし賃貸に住み続けたいなら、赤字になる年齢を少しでも遅らせるために、今からできることをすればいいニャン!
ちょっと下のグラフを見てほしいニャ。
あれ!?28年後が赤字じゃなくなってる!
それどころか40年後(69歳)まで貯金はきちんと残っているね。
本当だ!何をしてこうなったの?もしかして、かなり節約が必要なんじゃない…?
ふっふっふ…。実はこのグラフは、生活費と家賃を1万円ずつ減らしただけのバージョンなんだニャ。
今より毎月たったの2万円節約することで、老後の心配をこんなに減らすことができるんだニャン♪
2万円でそんなに変わるんだ!
自分たちの将来を見据えて家計簿を見直すと、住宅一つとっても選択肢が増えるんだな〜。
マネ娘もたまには良いこと言うんだニャ〜!
一言多いよ!!
次回、持ち家の検討について『家を購入するなら、住宅ローンは変動?固定?フラット35?どれがいいの?』に続きます!
▼本記事の監修者